2009年01月27日

マンガ家裏話6 [スランプ]

デビュー後、2年ほどたつと、コンスタントに仕事が入るようになりました。
カラーページや巻頭の仕事もたまに入り、忙しくなってきました。
昭和52〜53年頃です。

当時はアシスタントを使っていなかったので、プロットとネームのやり直しが続くと、しめ切りまでの時間がなくなり、睡眠時間2時間の日もありました。

コタツで原稿を描き、そのままコタツで横になり、起きあがってまた描く…といった不健康な日々を送っていました。

毎日マンガを描いて生活するのが夢だったのに、ちっとも幸福感がないのです。とほほ。。。

しかも自分の作品にも満足できずにいました。

この頃はシリアスが描きたかったのですが、編集担当者は「シリアスはダメ」と拒否。
人気が出るのは、主人公が明るく元気で前向きで、ハンサムな男の子が登場するラブコメだったのです。
私もそういう作品を描くことを求められました。

でも、当時は「明るく元気で前向き」なキャラクターを作るのはとってもしんどかったのです。

もうちょっと大人向けのマンガを描きたいとも思いましたが、昭和53年頃なので、今のようなレディースコミックは創刊されてなかったのです。

私はどんどん憂鬱になり、スランプになってしまいました。

初めてのスランプ突入〜〜あせあせ(飛び散る汗)

ウツ状態のようになり、なんにもやる気がしないし、もちろんマンガを描く気も起きません。

思い余って、担当者に「もう、マンガ家をやめたい…」と話しました。
すると、担当者は特にあわてて止めるわけでもなく「ん〜、もったいない気もするけどねぇ。。。」などと言っただけで、編集長は私の顔も見ずに「やる気のないヤツはほっとけ」と一言。

urabanasi2.JPG

まだ20歳そこそこの女の子が、仕事で悩んでいるんだから、もうちょっとフォローをしてくれてもよさそうなものです。ぐすん。

その後、何がどうなったのか、まったく記憶から飛んでしまっているのですが、結局その後もその雑誌にマンガを描いているのです。



posted by なずな・まま at 09:14| Comment(4) | TrackBack(0) | マンガ家裏話
この記事へのコメント
わたしも、少女コミックでデビューして
「Hなシーンを入れたほうがアンケートの数字もあがるから描いて」と言われた時は嫌で嫌で一人泣いたときがありました・・・
それから全然漫画を描く気もおこらなくなり、漫画が嫌いになって・・・
今は漫画やイラストを描くことが大好きです!
それはやっぱりJudyで描かせていただけるようになってからだと思います(*^_^*)
Posted by いずみ at 2009年01月27日 11:31
いずみさん

そうですか。。。
雑誌の欲求と自分の描きたいものが合わないと、なかなかつらいですよね。

アンケートのためだけに描くんじゃないですもんね(−−;)

私も出版社を変えJudyに移ってからは楽しくお仕事できました(^^)v
Posted by なずな・まま at 2009年01月27日 16:48
「仕事だから仕方ない(>_<)」と思っても辛さがたまりにたまってスランプ・・・って、みなさんやはり経験されてるんですよね、
それを乗り越えて、何度も繰り返してより良い作品を生みだしていけたらいいな、といつも自分に鞭うってました(#^.^#)

あ、うちのHPに「アトリエあさの」さんのリンクを貼らせていただいてもよろしいでしょうか?

ではでは、失礼します(*^_^*)
Posted by いずみ at 2009年01月28日 16:50
そうですねぇ。
好きなことを仕事にするのは幸せなことですが、反面つらいこともありますね。

後ほど、こちらからもリンクさせていただきます。
Posted by なずな・まま at 2009年01月29日 14:22
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